WEP010  光源加速器  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
KEKにおける"その場"挿入光源磁場分布測定器開発の現状
Present status of "in-situ" ID magnetic field measurement system development at KEK
 
○阿達 正浩,土屋 公央(高エネ研、総研大),塩屋 達郎,江口 柊(高エネ研),加藤 龍好(高エネ研、総研大)
○Masahiro Adachi, Kimichika Tsuchiya (KEK, SOKENDAI), Tatsuro Shioya, Shu Eguchi (KEK), Ryukou Kato (KEK, SOKENDAI)
 
 KEKではPFリングおよびPF-ARを稼働し、47箇所ある実験ステーションに安定した放射光を供給している。PFリングおよびPF-ARの稼働開始からそれぞれ35年と30年を迎え、次期リング型光源加速器KEK-LS計画の検討を進めている。これまでに、Hybrid Multi-Bend Achromaticラティスを採用して、電子エネルギー3 GeV、周長約570 mで、自然エミッタンスが132.5 pm radに達するリングを設計し、Conceptual Design Reportのv.1として公開している。挿入光源(ID)が設置可能な18箇所の5.6-m長直線部と20箇所の1.6m短直線部に加えて、放射光を取り出し可能な20箇所の偏向電磁石を有するリングにより、現在フォトンファクトリーで展開されている多様なサイエンスを引き継ぐとともにさらに発展させることを目指している。  IDグループでは、KEK-LSのエミッタンス性能を損なわないIDを実現するためのR&Dを進めている。KEK-LSのIDの一つとして提案している真空封止型アンジュレータ(IVU)が生成する放射光の高次成分は、利用可能な高輝度光のスペクトル範囲をより高エネルギー側で拡げるために重要であるが、高次成分ではIDの周期磁場分布の誤差を可能な限り低く抑えなければ期待する輝度は得られない。そこで我々は、主にIVUの周期磁場分布調整時におけるこのような課題を克服するための「その場」磁場分布測定器の開発を進めている。本発表では、本測定器開発の現状を報告する。