WEP002  電子加速器  8月2日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
ILC入射部と放射光源のCW超伝導加速器共有の提案
Proposal of sharing of CW superconducting linac with ILC injector and photon light source
 
○島田 美帆(高エネ研)
○Miho Shimada (KEK)
 
ILCで技術的に困難とされている課題に陽電子源ターゲットが熱負荷に耐えられないという問題がある。そこで、バックアップとして、常伝導空洞を使ってターゲット付近のみ1msのパルス長を数十倍に伸長する方法が採用されている。本発表では、CWの超伝導空洞で行うことを提案する。この方法では、複数のビームを同時に加速することが可能なため、陽電子を生成するための電子だけでなく、陽電子や偏極電子をダンピングリングのエネルギー、5 GeVまで加速することも可能である。これらとダンピングリングを含めて、ILC入射部と呼ばれる部分を担う。超伝導加速器のオプティクスは、規格化エミッタンスが0.01mrad程度と他のビームに比べて非常に大きい陽電子に最適化する。 ILCのビームをすべて合わせても平均電流が500uA以下と低く、空洞に対する熱負荷も深刻でないため、ERL放射光源やCW XFELの電子ビームを加速・減速できる余裕がある。超伝導空洞のオプティクスは陽電子に最適化しているため、同時運転をスムーズに行うには、放射光源の電子ビームのエネルギーを陽電子より大きいほうが望ましい。ERL放射光源では6.5 GeV付近で10keV付近の硬X線領域で高輝度を目指す。また、追加の0.5GeVの超伝導空洞を用いて、ERLとXFELの同時運転の可能性も探る。