WEOM09  粒子源/真空  8月2日 小講堂(1F) 11:40 - 12:00
SuperKEKB LERでの圧力バーストの観測
Observation of pressure bursts in SuperKEKB LER
 
○照井 真司,石橋 拓弥,末次 祐介,白井 満,久松 広美,柴田 恭,金澤 健一,池田 仁美,船越 義裕(高エネ研)
○Shinji Terui, Takuya Ishibashi, Yusuke Suetsugu, Mitsuru Shirai, Hiromi Hisamatsu, Kyo Shibata, Ken-ichi Kanazawa, Hitomi Ikeda, Yoshihiro Funakoshi (KEK)
 
SuperKEKB のフェーズ1運転は2016年2月から6月にかけて行われた。この運転中に、ビームロスを伴う圧力バーストが陽電子リング(Low Energy Ring :LER)で頻発した。ビームロスの結果、ロスモニターが動作してビームアボートを引き起こし運転に支障をきたした。当初はリングの一部に集中していたが、次第に他の場所でも発生した。また、最大ビーム電流を増やした直後により頻繁に発生する傾向にあった。LER約300台の真空計データを、時間精度10μs以下で100 Hzで収集するシステムを構築して、この現象を分析すると、ほとんどが偏向電磁石内のダクトで起きていることや、圧力バーストがビームロスより先に起きていることがわかった。放電やトラップモードの存在が疑われたが、運転中に、チェンバーを人為的に叩く“ノッカー”を使用したところ、同様の現象が再現されたことから、ダクト内にあるダスト粒子とビームの衝突が原因ではないかと考えられる。本報告では、推定される圧力バースト現象の発生メカニズムと、その究明方法を紹介する。