WEOM06  粒子源/真空  8月2日 小講堂(1F) 10:40 - 11:00
ガスターゲットレーザーイオン源開発のための軸流型空力窓特性の検討
Study on characterization of coaxial type aerodynamic window for development of gas-target laser ion source
 
○高橋 一匡,佐々木 徹,菊池 崇志(長岡技大)
○Kazumasa Takahashi, Toru Sasaki, Takashi Kikuchi (Nagaoka Univ. Tech.)
 
レーザーイオン源は大電流イオンビームが供給でき、レーザーターゲットの交換により容易に発生させるイオン種を変えられることから様々な研究機関で研究開発が行なわれている。これまでのレーザーイオン源で供給されてきたイオン種は金属や炭素など室温で固体の元素に限られているが、室温で気体の元素のレーザーイオン源による供給も検討されている。気体をターゲットとしたレーザーイオン源の構築には高密度の気体を供給しつつ容器内の真空を維持することが課題となる。そこで超音速流の性質を利用して固体壁を介さずに真空と大気を隔てさせることができる空力窓を気体ターゲットに利用することを検討している。本研究では空力窓が保持可能な大気と真空容器内の圧力比や必要となる気体流量などを見積もるため、軸流型の空力窓について流路断面内で一様な流れを仮定したモデルにより気体力学的な特性の評価を行った。その結果、Mach数を大きくし、流路内で超音速流が保たれる最小限の圧力の気体を供給することにより、保持可能な圧力比を増加させることが可能であることが示された。また、この時の流量はMach数の関数として極大値を持つことが示された。さらに、直径1mmの空力窓を構築し、その特性について評価を行った結果、超音速ノズル形状を固定した場合に圧力比を最大化する貯気槽圧力が存在し、見積もりと実験の圧力特性の傾向が一致することが確認された。