TUP143  加速器土木・放射線防護  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
SPring-8 蓄積リング水平方向変位の解析
Analysis for horizontal displacements of SPring-8 storage ring
 
○岡安 雄一,木村 洋昭,張 超(高輝度研),松井 佐久夫(理研播磨)
○Yuichi Okayasu, Hiroaki Kimura, Chao Zhang (JASRI), Sakuo Matsui (RIKEN)
 
SPring-8 蓄積リングに配置されている四極電磁石の座標は、1997 年の供用開始以来、20 年にわたって継続的に測量されてきた。測量結果の鉛直成分については、昨年の年会で既に報告した。本年会では、水平成分の解析について報告する。 蓄積リングに全ての電磁石が据付完了した 1996 年から、2017 年までに実施された蓄積リングの測量・解析方法は、大きく分けて 3 つのフェーズに大別される。すなわち据付開始から主に長直線部の機器配置が定常化した 1996 - 2003 年 (Phase I)、測量手法が確立した 2005 - 2013 年 (Phase II)、測量手法の改良がなされた 2014 - 2017 年 (Phase III) である。Phase I 及び Phase II では、Leica 製レーザートラッカー SMART310 が使用され、後に Wild 製セオドライト T3000 による角度データの測量が加わり測量精度の向上が図られた。Phase III では Leica 製レーザートラッカー AT-402 で 3 次元測量を実施している。ネットワーク解析については、Phase I/II では自作の解析ソフトを使用し、Phase III では商用のソフトを使用している。 蓄積リング全周に亘る四極電磁石の座標 (平均値を差し引いた動径成分 : rと方位角成分 : s) と設計値からの差分を Phase I / III で比較した結果、標準偏差で dr 及び ds はそれぞれ 40%、60% 小さくなった。直近の Phase III の解析結果では、dr は ±1.5 mm 程度で経年変化を上回る季節変位は確認されなかった。