TUP132  加速器応用・産業利用  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
KURRIライナック電子ビームからのコヒーレント遷移放射の特性と生物への照射効果
Characteristics and biological effects of the coherent transition radiation from the electron beams of the KURRI linac
 
○奥田 修一,田中 良晴(阪府大),高橋 俊晴(京大)
○Shuichi Okuda, Yoshiharu Tanaka (Osaka Prefect. Univ.), Toshiharu Takahashi (Kyoto Univ.)
 
加速電子バンチからのコヒーレント放射は、THz域の光成分を持っており、他にない強力なピコ秒パルス光の生成が可能である。このTHz光量子ビームの作用で、新たな研究領域を開拓するために研究を行った。京大原子炉実験所45 MeV Lバンド電子ライナックにおいて、申請者らが独自に開発したコヒーレント遷移放射光源と吸収分光計測系で光照射および吸収分光実験を行った。アルミニウム箔からの後方への遷移放射を加速器室外に導き、集束して試料に照射した。Martin-Puplett型干渉計で、THz領域(ミリ波、サブミリ波領域)における透過光のスペクトルを測定した。加速器条件を変えて光源の特性を詳細に調べるとともに、最適な光の生成条件を求めた。非線形現象を探索するために、光の強度、パルス幅、パルス形状、パルス繰り返しを変化させた。水および生理食塩水を対象に光の吸収を調べ、新たな物性の探索に向けての実験を行った結果、両者における吸収挙動の差や非線形現象の可能性が明らかになった。さらに、標準的な菌および微生物、細胞への光照射実験を開始した。