TUP128  加速器応用・産業利用  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
バイメタルを用いた極低温用光ファイバ温度計の開発
R&D of optical fiber thermometer for very low temperature with bimetal
 
○清水 洋孝,小島 裕二,仲井 浩孝,中西 功太,原 和文,本間 輝也(高エネ研)
○Hirotaka Shimizu, Yuji Kojima, Hirotaka Nakai, Kota Nakanishi, Kazufumi Hara, Teruya Honma (KEK)
 
超伝導加速方式を利用した加速器施設の運転には、液体状態のヘリウムや窒素を含む、大量の冷媒を使用する冷凍サイクルを連続的且つ安定的に制御・運用する事が必要である。この目的を達成する為には、サイクルの各段階における冷媒の温度を正しく測定して、制御に反映させる必要がある。しかし通常使われている様な測温抵抗体を用いた場合では、測定点を増やす事に伴う費用の増加や、断熱シールド内へ大量の金属製の信号線を持ち込む事による熱侵入の問題が生じる。これらの問題を克服する事を目的として現在行っている、光ファイバを用いた極低温用温度計の開発について、報告を行う。通信用の光ファイバにブラッググレーティングと呼ばれる格子構造を持たせたものが、その格子間隔の変化を捉えて波長の変化として検出出来る事から、優れた応力センサや温度計として既に用いられている。我々はこのグレーティングファイバの特性を活かし、極低温領域で使える温度計の開発に取り組んでいる。今回は特に、極低温領域におけるグレーティングファイバの波長変化の鈍化を補い、温度計としての機能を保持する為に必要な補助治具の開発に関して報告を行う予定である。