TUP120  真空  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
SuperKEKB陽電子ダンピングリングの真空制御システム
Vacuum control system of positron damping ring for SuperKEKB
 
○照井 真司,石橋 拓弥,小田切 淳一,金澤 健一,柴田 恭,白井 満,末次 祐介,中村 達郎,久松 広美(高エネ研),芳藤 直樹(東日技研)
○Shinji Terui, Takuya Ishibashi, Jun-ichi Odagiri, Ken-ichi Kanazawa, Kyo Shibata, Mitsuru Shirai, Yusuke Suetsugu, Tatsuro Nakamura, Hiromi Hisamatsu (KEK), Naoki Yoshifuji (East Japan Institute of Technology Co., Ltd.)
 
SuperKEKBでは、高いルミノシティを実現するためにナノ・ビーム方式と呼ばれる衝突方式が採用される。この方式では、衝突点でのビームサイズを垂直方向:60 nm、水平方向:10 μmまで絞り込む必要があり、力学口径とビーム寿命の減少は避けらない。そのため、低エミッタンスかつ強度の高い入射ビームを供給する必要がある。陽電子に関しては、入射ビームのエミッタンスを下げるためにダンピングリング(DR)が入射器の途中に新設される。DRは周長約135.5 mの蓄積リングで、ビームエネルギーは1.1 GeV、最大蓄積電流は約70 mA、バンチ数は4、バンチ長は約7 mmである。物理実験を円滑に進めていくためには、チャネル数の変更等が容易に可能であると共に、堅牢な真空制御システムを構築する必要がある。DRでは必要圧力とスペースの制限等から、排気システムにはカートリッジ型NEGポンプを採用している。一方、マグネットのボア半径が小さく、ビームダクトのコンダクタンスが小さいという問題がある。本発表では、DRの真空制御システムの概要、コンダクタンスが小さい中で安全かつ確実にNEGポンプの活性化する工夫、真空立ち上げ試験結果等について報告する。