TUP105  粒子源  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
大強度負水素イオン源の高周波放電による引き出されたビームへの影響
Effect of RF discharge for a high intensity H- ion source on the extracted beam
 
○神藤 勝啓(J-PARC/原子力機構),柴田 崇統(J-PARC/高エネ研),和田 元(同志社大)
○Katsuhiro Shinto (J-PARC/JAEA), Takanori Shibata (J-PARC/KEK), Motoi Wada (Doshisha Univ.)
 
J-PARCやSNSなどの大強度陽子加速器施設で用いられている負水素イオン源(H-イオン源)では、2MHzの高周波(RF)を用いてプラズマを点火し、ピーク電流で数10 mAのH-ビームを生成している。このような大強度RF H-イオン源では、イオン源内のイオン密度が高いためビーム引出領域近傍のイオンシースがRFに追随し、プラズマの電位搖動が生じ、その結果イオン源より引き出されたH-ビームは揺らぎを持つ可能性がある。これまでにJ-PARCの大強度RF H-イオン源より引き出されたH-ビーム電流をファラデーカップで測定すると、45 mAの平均ピーク電流に対して1 mA程度のビーム電流の揺らぎが観測され、その周波数が2MHz程度であった。そこで、イオン源内で生じているプラズマ波動現象が引き出されたH-ビームにどのような影響を与えているかを調べる一環として、大強度RF H-イオン源より引き出されたH-ビームエミッタンスの揺らぎの有無を観測することを開始した。本発表では、J-PARC内にあるイオン源テストスタンドで開始するエミッタンスの揺らぎを観測するための準備状況について報告する。