TUP102  加速器制御  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
SPring-8とSACLAにおけるBPM信号処理システムへのMADOCA-to-EPICS ゲートウェイの適用
Application of MADOCA-to-EPICS gateway for BPM signal processing system at SPring-8 and SACLA
 
○清道 明男,藤田 貴弘,増田 剛正(高輝度光科学研究センター),前坂 比呂和(理研 放射光科学総合研究センター)
○Akio Kiyomichi, Takahiro Fujita, Takemasa Masuda (JASRI), Hirokazu Maesaka (RIKEN SPring-8 Center)
 
SPring-8とSACLAの制御ソフトウェアフレームワークであるMADOCAにEPICS準拠デバイスを簡便かつ迅速に組み込めるようMADOCA-to-EPICSゲートウェイを開発した。MADOCAは機器制御レイヤーにEquipment Manager (EM) と呼ばれる機器制御ソフトウェアを使用しているが、本ゲートウェイはEPICS Channel Access (CA) プロトコルを使用した汎用EM関数群として実装している。これまではMADOCAとEPICSの処理方法の違いを吸収するCAの再接続処理で1アクセスあたり30ms程度のオーバヘッドが生じていたため、高速なデータ収集で限界があったが、オーバヘッドを1ms以下に削減して処理の高速化を実現した。SPring-8-IIに向けたBPM信号処理システムの評価のためにSPring-8蓄積リングへ導入したLibera Brilliance+はEPICS準拠デバイスであり、これをMADOCA 制御システムで読み出すために本ゲートウェイを適用した。また、SSBTビーム輸送ラインに設置したBPM信号処理システムLibera Brilliance SinglePassとLibera Spark、そしてSACLAに設置したLibera Spark とLibera Cavityの制御にも適用した。これらのデバイスはCPUやOSが異なるため、それぞれのプラットフォーム用のEMを開発すると多くの時間と労力を必要とするが、ゲートウェイを用いることでそれらを最小限に抑えることができた。本発表ではMADOCA-to-EPICSゲートウェイの開発と性能改善、ならびにBPM信号処理システムでの運用状況について報告する。