TUP098  加速器制御  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
YOKOGAWA F3HA12を使用した高速サンプリングシステムの開発
Development of high speed sampling system using Yokogawa F3HA12
 
○亀田 吉郎(東日技研),帯名 崇(高エネ研)
○Yoshiro Kameta (e-JAPAN IT Co., Ltd.), Takashi Obina (KEK)
 
加速器を制御するにあたって様々な機器を遠隔から監視/制御することが重要である。アナログ電圧値や温度等を記録する目的にはペンレコーダやペーパーレスレコーダなどがよく使用されるが、アナログ帯域とサンプリング速度との兼ね合いで“高速な信号変化をとらえる”ことと“平均的なデータを長時間にわたって保存・表示する”ことを両立させることは容易ではなかった。そこで本件ではEPICSとYOKOGAWA製F3HA12(高速データ収集モジュール)の組み合わせで高速サンプリングシステムを開発した。開発目標としてサンプリング速度は数100Hz以上で1Hz程度の一定周期間隔でその区間の開始・最高・最低・最終データを転送するシステムとした。装置/制御としてはF3RP61(CPUモジュール)を使用してF3HA12を制御する構成としている。これにはOSとしてLinuxを使用しEPICSを用いて制御ソフトウェアを動作させている。Linuxにおいてリアルタイム性を向上させるためにカーネルのconfigurationであるPREEMPT_RTを適用し、システムにおいては安定して動作させるために不要なサービス停止やパラメータの調整を行っている。また、測定データ転送の遅れによって生じるF3HA12のFIFOエラーをリカバリする処理も実装している。これらを踏まえ、F3HA12/F3RP61を使用して12CH/170Hzで測定可能な高速サンプリングシステムを開発した。本発表では装置に関する詳細および性能試験で得られた結果について報告する。