TUP086  ビーム診断・ビーム制御  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
カーボンナノチューブワイヤーを用いたビームプロファイル測定試験
Beam profile measurement using carbon nanotube wires
 
○宮尾 智章(高エネルギー加速器研究機構),三浦 昭彦(日本原子力研究開発機構)
○Tomoaki Miyao (KEK, J-PARC), Akihiko Miura (JAEA)
 
J-PARCリニアックではピークビーム電流を40mAから50mAへ上昇する準備が進められており、ビームからの負荷によるビーム診断系への影響を考慮する必要がある。この一つとして、ビームプロファイル測定に使用しているワイヤスキャナモニタ(WSM)のワイヤについて、ビームからの熱負荷に耐えうる材料の検討を開始した。  カーボンナノチューブ(CNT)はグラファイトを円筒状に形成したもので、鋼鉄の100倍以上の引張強度を持ち、電気伝導度は銅、銀などの金属以上の高さを有し、熱的に無酸素状態で3000℃まで耐えられる物質として知られている。そこで、我々はWSMにCNTを適用し、3MeVの負水素イオンビームのビームプロファイル測定を行った。この結果、従来使用してきた炭素繊維によるプロファイル測定と同等の信号利得が得られ、測定したプロファイルも同等であることが確認された。本発表ではCNTに負水素イオンを照射したときのパルス波形と、ビームプロファイル測定の結果について報告する。合わせて、3MeVビーム照射後の表面の観察を実施した結果について報告する。