TUP085  ビーム診断・ビーム制御  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
RF-Deflectorを用いた電子ビームの3次元分布計測
Measurement of three-dimensional bunch profile using RF deflecting cavity
 
○佐々木 智則,中里 佑介(早稲田大学理工学研究所),坂上 和之(早稲田大学高等研究所),鷲尾 方一(早稲田大学理工学研究所)
○Tomonori Sasaki, Yusuke Nakazato (Faculty of Science and Engineering, Waseda University), Kazuyuki Sakaue (Waseda Institute for Advanced Study, Waseda University), Masakazu Washio (Faculty of Science and Engineering, Waseda University)
 
早稲田大学鷲尾研究室では,フォトカソードを用いたRF電子銃によって高品質な電子ビームを生成し様々な応用研究を行っている.電子ビームを応用するにあたり,その詳細な構造(3次元分布やエミッタンス等)の測定は非常に重要である.我々はRF-Deflector(高周波偏向空洞)と呼ばれる装置を用いることで,これまでに電子ビームの持つ傾き角の計測に成功しており,その知見にCT技術を適用することで,ビームの3次元分布再構成に成功した.RF-Deflectorは空洞内に共振させた磁場によって電子ビームを偏向させる装置であり,供給する電力を変化させることで電子ビームの回転角を調節することが出来る.一方,医療分野で用いられているようなX線CTでは,物体の側面データ(X線透過像)を180度分計測することで物体の内部構造の3次元分布を取得できる(投影定理).本研究も全く同様の原理を用いた.即ち,RF-Deflectorによって電子ビームに様々な傾き角を付与し,スクリーン上で電子ビームの側面データを多方向から計測することで,その3次元分布を取得した.本発表では電子銃の様々なパラメータ変化がビームの3次元分布に与える影響の評価・考察,及び今後予定しているスライスエミッタンス測定について報告する.