TUP083  ビーム診断・ビーム制御  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
ビームプロファイルモニタ用金属製ワイヤの耐久性評価試験
Tensile fracture test of metric wire of beam profile monitors
 
○三浦 昭彦(原子力機構),福岡 翔太(筑波大学),宮尾 智章(高エネルギー加速器研究機構),川根 祐輔(原子力機構)
○Akihiko Miura (JAEA), Shota Fukuoka (Univ. of Tsukuba), Tomoaki Miyao (KEK), Yusuke Kawane (JAEA)
 
J-PARCリニアックでは、高周波加速空洞を用いて、負水素イオンビームを400MeVまで加速している。ビーム輸送中のビームロスを抑制するため、ワイヤスキャナモニタを用いて、ビームの進行方向に鉛直な方向のプロファイルを測定するとともに、位相方向の拡がりを測定するため、バンチ・シェイプ・モニタを開発し、チューニング用加速空洞の振幅設定のチューニングに使用している。これらのモニタでは、加速したビームと金属ワイヤを直接相互作用させ、ワイヤ内に発生した電流や、ビームとワイヤの衝突により発生した2次電子を計測している。このため、モニタを設計する際、ビームの熱負荷による温度上昇を考慮して融点の高いタングステンを選定した。また、ワイヤを金属製のフレームに固定する際、重力によるたわみをばねによる引張りにより除去している。リニアックでのピークビーム電流を大きくする際には、溶融及び温度上昇に対する引張り強さの耐久性を確保しなければならない。そこで、ワイヤの熱、引張強さに対する耐久性を評価するため、小型の真空チャンバを製作し、ビームによる熱負荷を印加電流で模擬し、ワイヤにかける荷重とワイヤ径をパラメータとした試験を実施した。この結果、太さ0.020、0.030、0.100mmのタングステンワイヤに対し、10gN、20gN、30gNの荷重における破断に至る電流値との関係が得られた。