TUP075  電磁石と電源  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
高熱伝導樹脂を用いたkWクラス間接冷却コイルの開発
Development of kW class indirectly cooled solenoids using high thermal conductive resin
 
○栗原 俊一(高エネ機構),影島 隆一,佐々木 彰(日本電磁工業)
○Toshikazu Kurihara (KEK), Ryuichi Kageshima, Akira Sasaki (NDK)
 
昨今の携帯端末、パソコンその他の熱管理に関しては、その開発が著しい。CPUの線幅の微細化に伴い電流密度の増大が、エレクトロマイグレーションの問題とともに発熱をいかに逃がすか、熱管理が関心を集めている。一方、電子機器の筐体等は金属が使われてきた。高い熱伝導率と機械的な強度、さらに加工性など様々な利点があるからである。しかし、金属から樹脂へという流れがコスト削減の面からここでも起きている。高熱伝導樹脂の開発は熱伝導性のフィラーを樹脂中に添加することによってなされている。こういった試みは2000年代に様々な開発の試みが行われ、2000年代末には試作から材料が市販されるようになった。半導体のヒートシンクとの接合、あるいは部品のポッティング等に用いられている。通常の樹脂の熱伝導率は0.2W/m・K 程度である。一方、1桁ないし2桁の熱伝導率の樹脂が利用できる状況となってきている。われわれは手始めに4W/m・K の高熱伝導樹脂を用いて空芯コイルを試作してみた。現在入手できる高熱伝導樹脂は平面に塗布して一層を形成するか、樹脂だけを形成して構造材料部品として用いるかが主眼となっているようで、線材を巻きながら充填していくことを目的としたものでは無く工夫を要する。1200Wから2000W程度の間接冷却空芯コイルが水量0.9L/min~2.0L/min で実現できた。