TUP073  電磁石と電源  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
ヒステリシスを考慮した輸送系に用いられる偏向電磁石の磁場測定
Measurement of magnetic fields with hysteresis effects in bending magnet for beam transport
 
○保富 立樹,菅原 賢悟(近大 大学院),石 禎浩,上杉 智教,栗山 靖敏(京大原子炉)
○Ritsuki Yasutomi, Kengo Sugahara (Kindai University), Yoshihiro Ishi, Tomonori Uesugi, Yasutoshi Kuriyama (KURRI)
 
これまで加速器用電磁石の磁場設計には、TOSCAによる磁場解析が用いられてきたが、ヒステリシスの効果を取り入れた磁場設計はなされてこなかった。 しかし、近年ヒステリシスモデルの一つであるプレイモデルを組み込んだ有限要素磁場解析が開発され、ヒステリシスの影響を有限要素磁場解析に取り込むことが可能となりつつある。我々は、この手法を加速器用電磁石の設計に適用することで設計精度の向上を図ろうとしている。ところが、プレイモデルは直流ヒステリシスの考えに基づいたモデルであり、一方で、磁気余効や渦電流の影響は、時間に依存する。本研究の目的は、加速器用電磁石のヒステリシスに電流励磁パターンが与える影響を定量評価し、磁気余効や渦電流の影響を分離して、直流ヒステリシスモデルの加速器用電磁石磁場設計への適用可否を判断することである。 我々は、上記検討をすすめる上での第一歩として輸送系に用いられる偏向電磁石を例に扱い、Lake Shore製のガウスメータを用いた磁場測定システムを構築した。本測定システムを用いて、異なる複数の電流励磁パターンにおけるヒステリシスループの測定を行った。本報告では、その結果について報告する。