TUP070  電磁石と電源  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
永久磁石によるDCセプタムの開発
Development of permanent magnet based DC septum
 
○高野 史郎,渡部 貴宏,深見 健司(高輝度光科学研究センター/理化学研究所放射光科学総合研究センター),谷内 努(高輝度光科学研究センター),原 徹,田中 均(理化学研究所放射光科学総合研究センター),草野 邦宏,濱登 一広,尾形 敢一郎,齋藤 喜之,片岡 淳(トーキン)
○Shiro Takano, Takahiro Watanabe, Kenji Fukami (JASRI/RIKEN SPring-8 Center), Tsutomu Taniuchi (JASRI), Toru Hara, Hitoshi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center), Kunihiro Kusano, Kazuhiro Hamato, Kanichiro Ogata, Yoshiyuki Saito, Jun Kataoka (TOKIN Co.)
 
我々は、次世代光源として検討を進めているSPring-8-IIへの適用を視野に、i)ビーム入射振幅の抑制(小振幅入射)、ii) 蓄積ビームの基本性能への影響の抑制(入射の透明性)、iii) トップアップ運転(積上げ自在な繰返し入射)を可能とする、新しいoff-axis入射システム(真空封止無摂動off-axis入射システム)を提案している。永久磁石によるDCセプタムは、これを構成する主要磁石の一つであり、省エネルギー化にもつながる。我々は、昨年9月より「次世代加速器要素技術開発プログラム」からの委託により、次世代リング型光源実現のための共通の要素技術開発として、永久磁石によるDCセプタムのプロトタイプ機の開発を開始した。SPring-8での永久磁石ベース偏向磁石の開発で得た、磁場調整機構、 温度補償、放射線減磁対策に関する知見をもとに基本設計を行い、入射ビームの偏向に必要な磁場強度の実現と蓄積ビーム軌道への漏れ磁場抑制を両立させる磁気回路を設計した。磁気回路は、磁場調整用プレート、温度補償用整磁合金、漏れ磁場打ち消し用磁石、磁気遮蔽用セプタム板などから構成される。放射線減磁対策の観点から、サマリウムコバルト磁石を選択し、パーミアンス係数を極力高くするよう留意した。2016年度に試作機が完成し、引き続き、漏れ磁場等も含めた詳細な磁場測定により性能評価を行う計画である。