TUP065  電磁石と電源  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
SuperKEKB衝突点軌道制御システムにおける真空ダクトの磁場減衰
Damping of magnetic field due to beam pipe on orbit feedback system at interaction region for SuperKEKB
 
○中村 衆,大木 俊征,川本 崇,増澤 美佳,福間 均,船越 義裕(高エネ研)
○Shu Nakamura, Toshiyuki Oki, Takashi Kawamoto, Mika Masuzawa, Hitoshi Fukuma, Yoshihiro Funakoshi (KEK)
 
SuperKEKBの衝突点付近には、電子・陽電子ビームの衝突を積極的に保持するための軌道制御用電磁石群を設置している。 垂直方向の制御はKEKBでも使用した軌道フィードバックシステム(iBumpシステム)を用い、水平方向はPEP-IIで用いられたDitheringシステムをSuperKEKB用に組み立てている。 KEKBにおける衝突点軌道フィードバックの応答周波数は1Hz程度であり、銅製の真空ダクトによる磁場の減衰は大きな問題とならなかった。 しかし、SuperKEKBのおいてはルミノシティ増強のために衝突点でのビームサイズを非常に小さくするため、iBumpシステムの応答周波数を1kHz程度に上げる必要がある。 この周波数では真空ダクトによる減衰の影響が無視できないため、軌道フィードバックを行う電磁石部分の真空ダクトはステンレス製に変更している。 Ditheringシステム用の電磁石と電源及びその配線は、2016年2月から始まった試験運転時に完了していたため、軌道のフィードバック制御はできないものの一定の磁場強度で周波数を変数とすることで、ビームに対する磁場減衰の影響を実際に確認した。 また、真空ダクトと同じ形状のパイプを製作し、iBumpシステム用の電磁石を用いてパイプ内での磁場の減衰率測定も実施した。