TUP059  高周波源  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
3.3 kV SiC-MOSFETを用いた誘導加速セルドライバーの開発
Development of an induction accelerator cell driver utilizing 3.3 kV SiC-MOSFETs
 
○岡村 勝也(高エネ研)
○Katsuya Okamura (KEK)
 
KEKデジタル加速器(DA)は線形加速器やブースターなどの入射装置を必要としない誘導加速シンクロトロン(IS)である 。ISはKEKにおいて2000年にその概念が提案され、2006年に原理実証された誘導加速を前提にしたシンクロトロンであり、誘導加速セルと呼ばれる1:1トランスを介して矩形パルス電圧によって荷電粒子の加速と閉じ込めを行う。誘導加速シンクロトロンにおいて加速電圧を発生するスイッチング電源(Switching Power Supply: SPS)の主要な定格は2.5 kV-20 A-1 MHzという過酷なものであり、誘導加速における重要なコンポーネントである。 従来、我々はSPSのスイッチングデバイスとしてSiのMOSFETを7直列にして用いていたが、現在これをSiよりも高電圧に適したSiCのデバイスに置き換えるべく研究を進めている。これまで既にSiC-JFETを用いたSPSを開発し、KEKデジタルアクセラレータに投入することで実際のイオン加速にも成功している。今回の報告ではローム株式会社により開発された3.3 kV耐圧のSiC-MOSFETを用いて試作したSPSの特性について報告する。