TUP058  高周波源  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
TE011モード高周波空胴電力合成器を使用した100 kW 半導体パルス高周波増幅器の設計
Design of a 100 kW solid-state pulsed RF amplifier using a TE011 mode RF combiner
 
○大竹 雄次,安積 隆夫,稲垣 隆宏(理化学研究所・放射光科学総合研究センター)
○Yuji Otake, Takao Asaka, Takahiro Inagaki (RIKEN SPring-8 Center)
 
半導体増幅器は、長寿命で低故障率から粒子加速器の中電力高周波源として使用されつつある。従来から使用されていたIOTは、半導体化の波からメーカーからの供給が細くなってきた。また、高周波半導体素子の出力は連続波で1kWに達するものもある。このような理由から理化学研究所のSACLAでは、現在使用している476MHzのブースター加速空洞用の高周波源である100kW, 50 us出力のIOTから半導体増幅器への置き換えを検討している。今回我々は、素子が高価である理由からその数を減らすために、超低損失のTE011モード空胴電力合成器(Q0=100,000)を出力段に使用した半導体増幅器を設計した。設計では、空胴電力合成器が今までに無いので、シミュレーションによってその低損失も含めた実現可能性を確認した。その時に、1入力・4出力の電力分配器として使用された合成器は、理想的電力分配比に近い+6.0054dBの低損失を示した。また我々は、それに電力を供給する高周波半導体増幅器モジュールも試作して、その実現性も確認した。モジュールでは、現状で手に入る、1 kW出力で効率が周波数によって最大80%にもなる素子を使用した。試験的な実験では、476MHzで1 kW,50usのパルス出力を得、効率が60%にも達した。以上の結果は、次の段階のこの素子を100個使用した実機製作が実現可能な範囲であることを示した。