TUP053  高周波源  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
クライストロンモジュレータ用高電圧半導体スイッチの開発
Development of semiconductor high-voltage switch for klystron modulator
 
○森 均,黄瀬 圭祐,澤村 陽,徳地 明(株式会社パルスパワー技術研究所)
○Hitoshi Mori, Keisuke Kise, Yo Sawamura, Akira Tokuchi (Pulsed Power Japan Laboratory Ltd.)
 
産業用電子線滅菌用途のクライストロンモジュレータ用高電圧半導体スイッチを開発した。従来、これらの高電圧スイッチには水素サイラトロンが多用されてきたが、寿命が短い、高繰返し運転ができない、付帯電源が必要など、特に産業応用向けのスイッチとしては欠点が多かった。我々はこれまで、各種半導体スイッチを使用した高電圧スイッチを開発してきたが、今回、新たにMOSゲートサイリスタを使用した高電圧半導体スイッチを開発した。MOSゲートサイリスタはIGBT等の大電力素子に比べ短時間過電流許容値が非常に大きく、非常に小型で高電圧、大電流のスイッチを実現できる。飽和動作をするタイプの半導体スイッチであるサイリスタは一般的には点弧時のdi/dt許容値が低く制限されるが、MOSゲートサイリスタは静電的点弧機構を有しており、高いdi/dt値に耐えられるという特徴があり、半導体素子における高耐電圧と高速動作という相反する性能を短パルス領域において同時に実現できる。本開発においてはMOSゲートサイリスタを直列接続して高電圧スイッチを構成したPFN回路方式のモジュレータを製作し、評価試験を行ったのでその結果について報告する。