TUP046  高周波加速構造  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
定在波加速管におけるビームローディングの取り扱い
Treatment of beam loading effects in a standing wave accelerator
 
○栗木 雅夫,名越 久泰,高橋 徹(広島大学先端研),根岸 健太郎(岩手大学理工学部),清宮 裕史,横谷 馨(高エネ研加速器),浦川 順治(高エネ研国際連携推進室),佐藤 正則(高エネ研加速器),大森 恒彦(高エネ研素核研)
○Masao Kuriki, Hisayasu Nagoshi, Tohru Takahashi (AdSM, Hiroshima University), Kentaro Negishi (Dept. Science and Engineering, Iwate University), Yuji Seimiya, Kaoru Yokoya (Accel. Lab. KEK), Junji Urakawa (Research Administration Department, KEK), Masanori Satoh (Accel. Lab. KEK), Tsunehiko Omori (IPNS, KEK)
 
現在、国際リニアコライダー計画(International Linear Collider, ILC)が、日本の岩手県を建設候補地として、文部科学省による検討がすすめられている。ILCでは低いビーム電流で、高いルミノシティを実現するが、線形加速器であることから、加速器のビーム電流と、入射器のビーム電流とが、原理的に等しくなり、従来の入射器と比べて数桁程度大きなビーム電流が要求される。陽電子生成にはアンジュレーターのガンマ線からの対生成を使用する方式が基本設計となっている一方で、従来型の電子ビームドライブによる陽電子生成も検討されている。いずれの方式でも、より高い陽電子生成効率を実現する必要がある。陽電子標的直後には、大口径の定在波L-band加速管が置かれるが、大量の陽電子に加え、電子も大量に存在し、かつ大きな横方向運動量に起因するデバンチング効果によりバンチ長が極めて長くなる。すなわち、長いバンチ長をもった、異電荷の粒子が混在し、かつビームローディングが深刻な状況で加速を行う必要がある。通常のビームローディングの取り扱いでは、空洞を単セルとして近似し、かつ粒子の進行方向広がりをフォームファクターとして取り扱うが、このような重いローディング条件では、近似の精度が悪くなってしまう。今回、マルチセルによるビームローディングモデルを構築し、広がったビームが存在する場合の加速勾配の評価をおこなったので、その結果について報告する。