TUP042  高周波加速構造  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
ILC超伝導加速管のためのX-map非破壊検査の開発
Development of x-map nondestructive inspections for ILC cavity
 
○頓宮 拓,岩下 芳久,鉾之原 久雄(京大化研),早野 仁司,佐伯 学行,山本 康史,久保 毅幸(高エネ研/総研大),及川 大基(宇都宮大学)
○Hiromu Tongu, Yoshihisa Iwashita, Hisao Hokonohara (ICR, Kyoto Univ.), Hitoshi Hayano, Takayuki Saeki, Yasuckika Yamamoto, Yoshiyuki Kubo (KEK/SOKENDAI), Hiroki Oikawa (Utsunomiya Univ.)
 
京都大学では高エネルギー加速器研究機構との共同研究でILC超伝導加速空胴の非破壊検査の装置開発を行なってきた。超伝導加速管の性能測定(縦測定)時における発熱箇所の検出、及び、フィールドエミッションにより発生したX線検出マッピングによる局所的欠陥の探索、は有効な非破壊検査方法であり、他研究施設でも運用されている。 ILC加速空胴はアイリス部に構造補強のためのスティフナーリングが溶接されているため、X線センサーをその外に設置すると、アイリス部で発生したX線は検出器到達までに、キャビティとスティフナーリングの2枚のニオブ板を通過するため大きく減衰し、空胴内壁の欠陥位置探索が不正確になる。steffener-X-mapは、X線センサーとして市販の赤外線ホトダイオードの採用および、フレキシブルプリント基板への実装により、センサー基板が小型化し、キャビティとスティフナーリングの間にX線センサーの設置を可能としなっている。また、各センサーの出力は極低温下で動作する回路を採用した信号多重化によるスキャニング、および、各基板のデイジーチェーン接続により必要な信号線の数が激減しているので、実装の簡略化に成功している。steffener-X-mapシステムの運用テストはKEKとJLabのILC加速空洞の縦測定時に行っており、これまでに検出感度、高分解能など良い結果を得ることができた。steffener-X-mapの開発状況と運用テストの結果について報告する。