TUP037  高周波加速構造  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
アルバックにおける超伝導加速空洞の開発
Development of superconducting cavity in ULVAC
 
○永田 智啓,増居 浩明,篠澤 精一,村上 裕彦(アルバック),井上 均,山中 将,加古 永治(KEK)
○Tomohiro Nagata, Hiroaki Masui, Seiichi Shinozawa, Hirohiko Murakami (ULVAC), Hitoshi Inoue, Masashi Yamanaka, Eiji Kako (KEK)
 
超伝導加速空洞の製造方法において現在主流である方式は、高純度ニオブの板材をプレス加工し、それぞれのパーツを電子ビーム溶接により接合する手法であり、この方式で製作された超伝導空洞で高い加速性能も得られている。しかしながら、高い生産性と低コストを両立する空洞製造技術については、未だ検討の余地が残されている。我々は、このような課題を解決するべく空洞本体に溶接を用いないシームレス空洞の開発を進めている。今回、単セルのシームレス空洞を液圧成形法により試作し、最大加速勾配41MV/mが得られた。これは溶接型の空洞と比較して遜色ないものである。また、スケールアップとして取り組んだ3連セルの空洞成形にも成功した。成形前のシームレス管の製造において、結晶粒径をより均一に小さくするよう工程改良(スピニング装置の改造や熱処理条件の精査)したことにより、これに起因する表面荒れを抑制できたと共に、寸法精度も向上したことから研削工程を省くことができ、材料歩留りも24%向上した。