TUP033  ビームダイナミクス・加速器理論  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
光陰極電子銃により生成された高電荷ビームへのレーザーミラーの影響
Influence of laser mirror on high charge beam generated by photocathode electron gun
 
○布袋 貴大(総研大),宮島 司(高エネ研)
○Takahiro Hotei (SOKENDAI), Tsukasa Miyajima (KEK)
 
cERLではフォトカソード電子銃を用いている。カソード励起用のレーザーはピンホールを通して円形の空間プロファイルを持っているので、出射されるビームの横方向のプロファイルも円形である。しかしながら2017年3月に行われた高電荷ビーム試験において電子銃以外の外部電磁場の寄与なく、ビームプロファイルの対称性が崩れた形で観測された。これは低電荷のときには観測されず40 pC以上の高電荷ビームで観測される現象である。これまで空間電荷効果の計算には半導体カソードの影響を鏡像電荷として含めていたが、ビームプロファイルが歪むという結果は得られていなかった。ビームパイプは十分に遠いとしてその効果を含めた計算は行っていないが、大きく対称性を崩すような形状にはなっていない。対称性を崩す原因の1つとして、カソード励起用のレーザー光をカソード面まで輸送するための金属ミラーが考えられる。特に生成直後の高電荷ビームは空間電荷効果によりビームサイズが増大するので、ミラーとの距離が縮まり、その影響は大きくなると考えられる。我々はこの効果を定量的に評価するため、ビーム輸送路内に存在する導体の効果を含めた空間電荷効果を計算している。本発表では導体の存在による空間電荷効果への影響、及びそれに伴うビームへの影響について報告する。