TUP030  ハドロン加速器  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
IFMIF/EVEDA原型加速器のLEBTにおける空間電荷効果の評価と抑制策
Study and reduction method of space charge effect in the LEBT of the IFMIF/EVEDA prototype accelerator
 
○一宮 亮,杉本 昌義,春日井 敦(量研)
○Ryo Ichimiya, Masayoshi Sugimoto, Atsushi Kasugai (QST)
 
国際核融合材料照射施設(IFMIF)の工学実証工学設計活動(EVEDA)として大電流重水素イオンビームを発生させる加速器の設計製作技術を実証するため、原型加速器(9MeV/125mA/CW)を六ヶ所村の国際核融合研究センターに段階的に建設し、性能実証試験を順次実施している。2015年4月に本格的にイオン源のコミッショニングが開始され、100keV/120mA/CWの重水素イオンビームを生成し、0.3πmm・mrad以下の規格化rmsエミッタンスを達成した。これまでの試験においてRFQ入射点付近とLEBT中央の2箇所にエミッタンスメータを設置しビーム特性(rmsエミッタンス、Twissパラメータ、電流値)を評価してきた。低エネルギー・大電流のハドロンビームではビーム電荷による電場でビーム自身を発散させてしまう空間電荷効果が大きい事が知られており、これによるエミッタンス増加は深刻な問題である。そのため、Krガスをチェンバー内に導入し、ビームがKrガスを電離させる事で発生する電子によって空間電位を低減させる事を試みた。空間電位は4グリッド・アナライザにて計測した。結果、Krガス導入により空間電位が下がり、エミッタンスも低減された事が確認出来た。また、RFQ入射点付近のエミッタンスを計測するための仮設診断チェンバーにもKrガスを導入することで、同チェンバー内での空間電荷効果によるエミッタンスの過大評価も抑制する事が出来た。本報告では、これらの評価結果について報告する。