TUP021  光源加速器  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
SAGA-LS蓄積リングRF周波数変更に伴うランプアップスタディー
A Study of energy ramp-up for changing RF frequency at the SAGA-LS storage ring
 
○岩崎 能尊,高林 雄一,金安 達夫,江田 茂(九州シンクロトロン光研究センター)
○Yoshitaka Iwasaki, Yuichi Takabayashi, Tatsuo Kaneyasu, Shigeru Koda (SAGA-LS)
 
SAGA-LS電子蓄積リングは入射エネルギー255 MeV、最大エネルギー1.4 GeVの低エネルギー入射方式の放射光用加速器である。約300 mAまで蓄積後、約4分間で1.4 GeVまで加速する。超伝導ウィグラーの2台運用開始後より、ビーム軌道補正に必要なステアリング強度が増加し、一部のステアリング電源は定格に達する状況となった。そこで、ステアリング強度の減少を目的として、RF周波数の最適化スタディーを行った。約22 kHz周波数を下げた場合にステアリング強度が最小化された。しかし、RF周波数を変更すると、大電流のランプアップに成功しなかったため、問題を解決すべくマシンスタディーを継続している。ビームロスは、加速開始直後、あるいは400 MeVもしくは900 MeV付近で生じる。ランプアップパターンの修正により、300 mAの加速に成功するケースもあったが、再現性に乏しかった。本学会において、ランプアップのビーム電流依存性、空洞電圧依存性、ランプアップを途中で停止させて計測したチューン測定結果等のスタディー結果を示す。また、ステアリング強度増大の一要因は超伝導ウィグラーの運用であるが、超伝導ウィグラーを励磁しない状態でのステアリング強度がここ数年で増大していた。軌道補正に必要なステアリング強度の経年変化の状況についても概要を報告する。