TUP015  光源加速器  8月1日 第1,2,3,4会議室他 13:00 - 15:00
1.5GHzTM020型空洞を用いたダブルRFシステムの検討
Feasibility study of the double rf system with 1.5GHz TM020 harmonic cavity
 
○山本 尚人,高橋 毅,坂中 章悟(KEK)
○Naoto Yamamoto, Takeshi Takahashi, Shogo Sakanaka (KEK)
 
3GeVクラスの回折限界放射光リングへの応用を目指しダブルRFシステムの検討を行っている。3GeVもしくはより低エネルギーの極低エミッタンス放射光リングではバンチ内散乱の影響が大きく、バンチ伸張によるピーク電荷の低減がエミッタンス性能実現のために重要となる。主加速空洞と高調波空洞を組み合わせることにより、バンチ長を操作することが可能となる。しかし、イオントラッピング等の問題を避けるためにバンチトレイン間に設けられるバンチギャップはRF空洞に過渡的なビーム電圧を誘起するため、ダブルRFシステムの運転を乱すことが知られている。この影響は蓄積電流が大きくなるにつれて増大し、特に体積の小さい高調波空洞はこの影響を受けやすい。 我々は、この問題を緩和するには使用台数分の空洞R/Qを合算したtotal R/Qを下げることが重要であることを数値的に明らかにした。さらに近年恵郷氏らが提案したTM020空洞の特徴(R/QがTM010空洞より小さく、無負荷Q値も高い)に着目し、これをダブルRFシステムの高調波空洞として採用することを検討している。 本発表では1.5GHzTM020高調波空洞の優位性について数値的に示すとともに、ダブルRFシステムとして運用した場合に期待できるバンチ伸張性能を紹介する。さらに入力RFの制御によるダブルRFシステムの性能補償についても検討結果を報告する。