TUOM07  電磁石と電源2  8月1日 小講堂(1F) 17:30 - 17:50
J-PARC 主リング高繰り返し化のための主電磁石電源1号機
First new power supply of main magnet for J-PARC main ring upgrade
 
○下川 哲司,栗本 佳典,三浦 一喜,森田 裕一,内藤 大地(高エネ研),佐川 隆(ユニバーサルエンジニアリング)
○Tetsushi Shimogawa, Yoshinori Kurimoto, Kazuki Miura, Yuichi Morita, Daichi Naito (KEK), Ryu Sagawa (Universal Engineering)
 
J-PARC主リングではビームの大強度化にむけて繰り返し周期を2.5秒から1.3秒に短縮することを計画している。繰り返し周期の短縮に伴い、主電磁石電源では、電磁石に蓄えられたエネルギーを1次側へ回生することによる系統の電力変動および、電源の出力電圧の増加が問題となる。さらに、遅い取り出しビームの時間構造の改善のために、出力電流の低リップル化も課題である。これらの課題に対して、コンデンサによるエネルギー貯蔵方式により、コンデンサと負荷間でエネルギーを受け渡し、抵抗損失分のみを系統から受電することで、系統の電力変動を抑制し、変換器の直列接続による耐圧の担保、負荷の分割による出力電圧の低減により高出力電圧に対応する。また、低リップル化を実現するために、スイッチングリップルを十分に除去できる出力フィルタと高速の変換器による構成を考えている。2016年夏、これまでに得た知見をもとに新電源の1号機を製作し、導入した。新電源1号機の製作にあたり、今後製作する全ての新電源に使用する変換器ユニット、制御装置の開発から行った。そのため、新電源1号機は、今後の新電源製作においての試験機の意味合いも持つ。本稿では、新電源1号機について試験結果を交えて報告する。