TUOM01  電磁石と電源1  8月1日 小講堂(1F) 15:20 - 15:40
SiC-MOSFETのLTD回路を用いたRCSキッカー用新電源の開発
Development of a new power supply for the RCS kicker magnet with the LTD circuit of SiC-MOSFETs
 
○高柳 智弘,金正 倫計,山本 風海,植野 智晶,堀野 光喜(JAEA/J-PARC),徳地 明,虫邊 陽一(株式会社パルスパワー技術研究所)
○Tomohiro Takayanagi, Michikazu Kinsho, Kazami Yamamoto, Tomoaki Ueno, Koki Horino (JAEA/J-PARC), Akira Tokuti, Yoichi Mushibe (Pulsed Power Japan Laboratory Ltd.)
 
スイッチング損失が小さく高耐圧の次世代パワー半導体の一つであるSiC-MOSFETをLTD(Linear Transformer Drivers)回路に適用した新しいパルス電源の開発を行っている。新しいパルス電源は、SiC-MOSFETの直並列多重化回路に加え、大容量コンデンサと反射波吸収回路を追加した新しいレイアウトのLTDモジュールを直列多段済みにした階層構造としている。サイラトロンスイッチ、PFNケーブル、エンドクリッパを外部回路に必要とせず、J-PARC RCSキッカー電源として必要な電圧40kV、電流4kA、パルス幅1500nsの仕様を25Hz運転で満足する。また、LTDモジュール1段あたりの出力電圧が定格の1/1000の補正LTDモジュールを複数枚追加し、動作トリガの入力タイミングを階層毎に任意に設定することで、矩形波の形成やドループの補正を電圧分解能±0.1%、且つ、ナノ秒オーダーで調整することが可能となる。主LTDモジュール5枚と補正LTDモジュール4枚で構成した最大出力4kA/2kAのプロトタイプ電源の予備試験の結果、RCSキッカー電源の仕様を満足する十分な結果を得ることできた。発表では、回路設計の構造と予備試験結果について報告する。