THOM16  加速器制御/ 加速器土木・放射線防護  8月3日 小講堂(1F) 16:20 - 16:40
地震時架台等で増幅された機器振動の強震計ITK002による測定
Amplified vibration measurement of instruments on the girder at earthquakes with a seismometer ITK002
 
○松井 佐久夫(理研),木内 淳,甲斐 智也(スプリングエイトサービス(株)),岡安 雄一,安積 則義,木村 洋昭(高輝度光科学研究センター)
○Sakuo Matsui (RIKEN), Jun Kiuchi, Tomoya Kai (SPring-8 Service Co.,Ltd), Yuichi Okayasu, Noriyoshi Azumi, Hiroaki Kimura (JASRI)
 
1995年の阪神淡路大震災時SPring-8ではまだ床工事中で被害は無かったが、関西では近い将来東南海地震の発生が予測されている。2011年の東日本大震災時KEKの加速器では架台が揺れ機器は大きな被害を受けた。住宅等の揺れを小さな地震時に測定、弱点を把握し効果的な耐震策に役立てるためのコンソーシアムが設立され、安価な強震計が開発されている。加速器機器も加振での地震時の模擬は簡単でない場合も多い。最大床振動は0.3Gとして架台や固定は設計しても、架台上機器は、かなり増幅される場合もある。そこで今回、GMR(巨大磁気抵抗効果)センサー使用の3次元100Hzの加速度データが連続3ヶ月(16GB SDカード使用時)取得できる強震計ITK002 を用い、架台の上と下、SPring8サイトの床上4カ所で4年間測定した。地震時、架台上で床の3〜4倍の加速度や、意外に増幅していない場合とか、卓越周波数や振幅の地盤による差等観測されている。まだ震度3程度を越したことがなく、測定箇所も少ないため補強が必要という例は見つかっていないが、今後は重心が高く、より振動が増幅されやすいと思われる、放射光ビームライン機器の測定を考えている。ITK002は測定範囲±2900Galで大きさ10×14×4cm、重さ620g、と小型でDC6Vで駆動でき、小さなバッテリーを接続しておけば停電後も数時間は余震の測定もできる (通常の電流0.5A)。高感度地震計STS2との比較、心配な外部磁場の影響についても報告する。