THOM05  ビーム診断・ビーム制御1  8月3日 小講堂(1F) 10:10 - 10:30
J-PARC Main Ring 大強度運転のためのビーム位置モニター(BPM)の高度化
Upgrade of the beam position monitor (BPM) at the J-PARC main ring for high intensity operation
 
○小林 愛音,外山 毅,佐藤 健一郎,久保木 浩功(KEK)
○Aine Kobayashi, Takeshi Toyama, Kenichirou Satou, Hironori Kuboki (KEK)
 
J-PARCの加速器ビームを利用するニュートリノ振動実験では大強度ビームが必要で、1.3 MWを目指している。現在は約470 kWの運転が可能であり、J-PARC Main Ring(MR)加速器ではそのためのアップグレード準備を行っている。加速器のバンチに詰め込める陽子数は、ビームロスにより制限される。ロスを低減するためにはビーム位置モニター(BPM)でビーム位置を精度良く測定し、ビーム軌道の補正を行い、安定した長時間制御・運転をする必要がある。現状の位置分解能は閉軌道歪み(Closed orbit distortion, COD)モードで数10 \mu m、ターン毎モードで数100 \mu mであり、これを数分の1から10分の1程度にすることを目指す。現在、ビーム強度が高いときに入射時のCOD RMSが100〜200 \mu m変動するように見える現象があり、BPM応答に強度依存性があるのか、実際に動いているのか原因を追求する必要がある。個々のBPMの信号に異常がないことの確認や、ウェイク場やバンプの影響を考慮しながら軌道解析し、調査している。ビームオプティクスの測定精度向上も目指す。