THOL16  光源加速器/LLRF  8月3日 講堂(2F) 16:20 - 16:40
J-PARC RCS のためのベクトル rf 電圧制御システムの開発
Development of a vector rf voltage control system for the J-PARC RCS
 
○田村 文彦,杉山 泰之,吉井 正人,大森 千広,山本 昌亘,島田 太平,長谷川 豪志,原 圭吾,古澤 将司(J-PARCセンター)
○Fumihiko Tamura, Yasuyuki Sugiyama, Masahito Yoshii, Chihiro Ohmori, Masanobu Yamamoto, Taihei Shimada, Katsushi Hasegawa, Keigo Hara, Masashi Furusawa (J-PARC Center)
 
J-PARC 3GeV シンクロトロン (RCS) では、大強度の陽子ビームを加速する際に金属磁性体 (MA) 空胴に生じるビームローディングを補償することが必須である。RCS で用いられる MA 空胴は広帯域の周波数特性を持ち、陽子ビーム加速に伴なう加速周波数変化に対して空胴の同調を必要とせずに加速電圧を発生できるほか、1台の空胴に加速周波数および2倍高調波を重畳したデュアルハーモニック運転を可能としている。一方、その広帯域の特性によりウェーク電圧も高調波を含むために、マルチハーモニックのビームローディング補償が必要である。RCS では、マルチハーモニックフィードフォワードシステムによるビームローディング補償で、設計ビームパワー1MW までのビーム加速試験を成功裏に遂行してきたが、その過程で、フィードフォワード法が持つオープンループ系であることに起因する弱点もわかってきた。J-PARC シンクロトロンの次世代LLRF 制御システムでは、フィードフォワードに加え、ベクトルrf電圧制御によるビームローディング補償の採用を検討している。本発表では、2016年度に製作したベクトルrf電圧制御システムのプロトタイプについて、概要、調整手法および試験結果について報告する。