THOL15  光源加速器/LLRF  8月3日 講堂(2F) 16:00 - 16:20
あいちSRにおけるパルス6極電磁石による蓄積ビームへの影響
Perturbation to the stored beam by pulsed sextupole magnet in Aichi SR
 
○持箸 晃(名大SRセンター),山村 光平(名大院工),保坂 将人,高嶋 圭史,眞野 篤志,石田 孝司(名大SRセンター),加藤 政博,藤本 將輝(分子研UVSOR),大熊 春夫((公財)高輝度光科学研究センター)
○Akira Mochihashi (Nagoya University SR Center), Kouhei Yamamura (Nagoya University Graduate School of Engineering), Masahito Hosaka, Yoshifumi Takashima, Atsushi Mano, Takashi Ishida (Nagoya University SR Center), Masahiro Katoh, Masaki Fujimoto (UVSOR, Institute for Molecular Science), Haruo Ohkuma (JASRI)
 
あいちSR光源加速器は1.2GeVの電子蓄積リングであり周長は72mと比較的小型である。このため、電子蓄積リングへのビーム入射の際に生成する入射バンプ軌道のリング一周に占める割合は大きく、現状のバンプ軌道によるビーム入射法では複数の放射光ビームラインがトップアップ運転時のビーム入射の影響を受けている。この状況を打開するため、あいちSRでは入射バンプを必要としないパルス6極電磁石入射法の研究開発を進めている。これまでに、パルス6極電磁石を電子蓄積リングに設置しビーム入射が問題なく出来る事を確認している。通常のバンプ軌道法と比較して遜色ない入射効率を実現しているが、一方で、パルス6極電磁石励磁により蓄積ビームが振動することも明らかとなった。放射光によるビームプロファイルのターン毎観測及びピックアップ信号によるビーム振動観測の結果を踏まえ、パルス6極電磁石の蓄積ビームに対する影響を詳細に理解すべく、パルス6極電磁石の影響下にある蓄積ビームのトラッキング計算を行った。結果、パルス6極電磁石の誤差磁場による蓄積ビームへの影響はダイポールキックとして取り扱えることが示唆された。発表では、あいちSRのパルス6極電磁石システムの概要、蓄積ビームへの影響のビーム診断実験結果、トラッキングシミュレーションと実験結果との比較、及び渦電流起因と見られる誤差磁場の解析結果、今後の展望について述べる。