THOL14 光源加速器/LLRF 8月3日 講堂(2F) 15:40 - 16:00 |
DBAを用いたCSR効果の抑制 |
Suppression of the CSR effects using DBA lattice |
○原 徹,稲垣 隆宏(理研),近藤 力(高輝度光科学研究センター),渡川 和晃(理研),深見 健司(高輝度光科学研究センター),中澤 伸侯,長谷川 太一,森本 理,吉岡 正倫(スプリングエイトサービス),前坂 比呂和,大竹 雄次,田中 均(理研) |
○Toru Hara, Takahiro Inagaki (RIKEN), Chikara Kondo (JASRI), Kazuaki Togawa (RIKEN), Kenji Fukami (JASRI), Shingo Nakazawa, Taichi Hasegawa, Osamu Morimoto, Masamichi Yoshioka (SES), Hirokazu Maesaka, Yuji Otake, Hitoshi Tanaka (RIKEN) |
SACLAでは、2015年1月に線型加速器出口にキッカーとセプタム電磁石を設置し、BL2/BL3の2本のXFELビームラインを用いたマルチビームライン運転を行ってきた。しかし、加速器出口とBL2アンジュレータ間にあるドッグレッグ電子ビーム輸送路におけるCSR効果の影響でビーム軌道や電子バンチ形状が不安定になることから、安定なレーザー発振を得るためには、通常10 kAのピーク電流を3 kA程度に制限する必要があった。そこでCSR効果を抑制すべく、2017年1月にドッグレッグ部に新たな電子ビーム光学系を導入した。新ビーム光学系では、偏向電磁石2台とその間の四極電磁石1台を用いたDBAをドッグレッグ部の出入口で各々組み、各偏向電磁石で電子ビームを水平方向に1.5°曲げる。更に出入口の2つのDBA間の水平ベータトロン振動の位相差をπとすることで、ドッグレッグ部にある4台の偏向電磁石間でCSR効果による水平キックをキャンセルさせる。また電子ビームを、DBAの四極電磁石のオフセンターを通すことにより、ドッグレッグ部のR56を調整することも可能である。 今回導入した新ビーム光学系により、通常BL3単独運転で用いている10 kAの電子ビームバンチでもBL2で安定なレーザー発振が得られるようになった。SACLAでは、BL2/BL3を用いた本格的なマルチビームライン運転を2017年秋から開始する予定である。 |