THOL12  光源加速器/LLRF  8月3日 講堂(2F) 15:00 - 15:20
極短周期アンジュレータの設置に最適化した小型電子蓄積リングの設計
Design study of small electron storage ring for installation of very short period undulators
 
○大熊 春夫(高輝度センター),山本 樹(高エネ機構・放射光)
○Haruo Ohkuma (JASRI), Shigeru Yamamoto (KEK-PF)
 
幅20mm x 厚さ2mm x 長さ100mmのNdFeB板に多極着磁法により高精度かつ高強度の周期2mm〜4mmの磁気回路を形成し、これを用いた極短周期アンジュレータ開発の研究を行ってきた。このアンジュレータを低エネルギー電子蓄積リングに設置して、低次アンジュレータ放射による高エネルギー放射光を生成する検討をしている。既存のリングでは直線部のベータ関数により最小ギャップに制限があり、直線部の長さも極短周期アンジュレータには最適化されていない。そこで、設計段階から周期長2〜4mm、アンジュレータ長0.8m程度(複数の磁石板を長手方向に接続。周期長2mmで400周期)を10台以上(= BL数)設置する事を前提としたリングの設計検討を以下の条件で行った。(1)電子エネルギー:1.5GeV(周期長2 mmでの基本波:約10keV)、(2)周長:70m以下、(3)セル数:12〜16、(4)直線部:0.8m以上、(5) 超伝導偏向電磁石の使用は可、(6)実効エミッタンス:40nmrad以下。現時点では未検討事項もあるが、1台の3.8T超伝導偏向電磁石と各々4台の四極および六極電磁石により4m長のユニットセルを組んだ14セルのラティスの設計が出来た。アンジュレータ設置部の12箇所の1m直線部(垂直ベータ = 0.24m)と、入射と加速空洞設置のために拡張した2箇所の2.5m直線部により、エネルギー1.5GeV、周長60m、自然エミッタンス24nmrad(実効エミッタンス36nmrad)となった。これまでの検討結果と今後の展望について述べる。