THOL11  光源加速器/LLRF  8月3日 講堂(2F) 14:40 - 15:00
極短周期アンジュレータの開発と最初の放射の観測実験
Development of a very short period undulator and observation of the first light
 
○山本 樹(高エネ機構・ 放射光,総研大物質構造科学),浜 広幸,柏木 茂,日出 富士雄,武藤 俊哉,南部 健一(東北大・電子光理学研究センター)
○Shigeru Yamamoto (KEK-PF, SOKENDAI), Hiroyuki Hama, Shigeru Kashiwagi, Fujio Hinode, Toshiya Muto, Kenichi Nanbu (Research Center for Electron Photon Science, Tohoku Univ.)
 
低いエネルギーの光源加速器において,低次のアンジュレータ放射を用いつつ,より高いエネルギーの放射の実用化を目指して,“極短周期” アンジュレータのための研究開発を行っている。 本研究では周期長4mmを目標に設定し,幅20mm x 厚さ2mm x 長さ100mm(25周期),または長さ152mm(38周期)の板状のNdFeB製磁石素材に,周期的交番磁気回路を高精度・高強度で書き込む方式の開発を行ってきた。着磁後に対向させた一対の磁石板の間の隙間(磁石ギャップ)にアンジュレータ磁場を生成することができる。現在1.6mmの狭小ギャップに約4kGの極短周期磁場(周期長4mm)を生成することが可能になった。実測磁場に基づく評価は,この磁場からの放射光が優れた輝度特性を持つことを示している。 本報告では,アンジュレータ磁石の長尺化に関する最新の成果とその技術を応用した,極短周期アンジュレータ本体の開発について述べる。さらに、東北大学・電子光理学研究センターS-band Linacに導入・設置した,周期長4mmの極短周期アンジュレータからの最初の放射の観測実験について報告する。