THOL09  加速器応用・産業利用2  8月3日 講堂(2F) 11:40 - 12:00
加速器中性子源を用いたソフトエラー試験における電子機器の放射化特性解析
Radioactivation characteristics analysis of electronic equipments in soft error test using accelerator-driven neutron sources
 
○青柳 健一,森 弘樹,岩下 秀徳,舩津 玄太郎,行田 克俊(NTT),佐藤 博隆,加美山 隆,古坂 道弘(北海道大学),鬼柳 善明(名古屋大学)
○Kenichi Aoyagi, Hiroki Mori, Hidenori Iwashita, Gentaro Funatsu, Katsutoshi Koda (NTT), Hirotaka Sato, Takashi Kamiyama, Michihiro Furusaka (Hokkaido University), Yoshiaki Kiyanagi (Nagoya University)
 
 近年、半導体の高集積化に伴い電子機器におけるソフトエラーの発生リスクが増加している。ソフトエラーは主に宇宙線が大気と衝突することにより発生する中性子線の影響による半導体メモリのビット情報が反転する事象で、電子機器の誤動作を誘発する可能性がある。  今後、ますます顕在化が予想されるソフトエラーに対する電子機器の信頼性を向上させるため、開発段階においてソフトエラー発生時の障害処理を事前確認する手段が必要である。従来、半導体レベルでは、自然界におけるソフトエラー発生率を高精度に見積もるため、数百MeVまでの高エネルギーの中性子を照射するソフトエラー試験が主流であったが、近年、システムレベルでのソフトエラー試験を実施するため、柔軟な試験が可能な、数十MeV程度までの比較的低エネルギーの中性子を照射する小型加速器中性子源の産業利用が開始されている。  システムレベルのソフトエラー試験では、開発中の電子機器を試験終了後、短時間で試験サイトから持ち出し、修正・再試験を実施する必要があり、ソフトエラー発生数に対して放射化を極力抑えた試験方式が要求される。  そのため、本研究では、高エネルギー加速器(〜数百MeV)と、低エネルギー加速器(数十MeV)における、ソフトエラー発生数、放射化特性、および冷却時間の関係を解明することを目的とし、本報告では、両者の加速器の放射化特性のシミュレーション結果について報告する。