THOL04 加速器応用・産業利用1 8月3日 講堂(2F) 9:50 - 10:10 |
グラファイト薄膜の加速器分野への応用展開 |
Graphite thin films for accelerator applications |
○多々見 篤,立花 正満,村上 睦明,村島 健介,川島 雄樹(株式会社カネカ Material Solutions Research Institute),長谷部 裕雄,奥野 広樹(国立研究開発法人理化学研究所 仁科加速器研究センター) |
○Atsushi Tatami, Masamitsu Tachibana, Mutsuaki Murakami, Kensuke Murashima, Yuki Kawashima (Kaneka Corporation Material Solutions Research Institute), Hiroo Hasebe, Hiroki Okuno (RIKEN Nishina Center) |
炭素薄膜は耐熱性が高く、軽元素であることから粒子加速器の荷電変換膜として用いられている。従来から蒸着法により作製した炭素薄膜が用いられていたが、粒子加速器のビームの大強度化に伴い、膜は劣化を早め、寿命はより短くなっている。さらなるビームの大強度化に向け、耐熱性が高く、長寿命の炭素薄膜の開発は必須課題である。 弊社(㈱カネカ)ではポリイミドフィルムを焼成する方法(高分子焼成法)により高熱伝導性のグラファイトシート(厚み:25、40μm)を製造、販売している。本技術を応用することにより上記の課題を解決できると考え、検討を行ったので詳細を報告する。 厚み10~75μmのポリイミドフィルムを1000℃以上で炭素化後、2900℃以上で黒鉛化することにより、厚み4~35μmのカネカグラファイト薄膜(仮称)を作製した。作製したグラファイトのラマンスペクトルを測定したところ、HOPGと同等の高品質なものであった。 作製したグラファイト薄膜をレーザーカッターによりディスク状に加工し、カルシウムイオン、ウランイオンビームの照射試験、荷電変換率評価試験を実施したので、その結果についても合わせて発表する。 |