FSP031  施設現状報告ポスター  8月1,2日 ホワイエ(2F) 13:00 - 15:00
QST高崎イオン照射施設(TIARA)の現状報告
Present status of TIARA at QST
 
○宮脇 信正,倉島 俊,千葉 敦也,吉田 健一,湯山 貴裕,石坂 知久,山田 圭介,横山 彰人,平野 貴美,佐藤 隆博,柏木 啓次,百合 庸介,大久保 猛,石堀 郁夫,奥村 進,奈良 孝幸(量研 高崎)
○Nobumasa Miyawaki, Satoshi Kurashima, Atsuya Chiba, Ken-ichi Yoshida, Takahiro Yuyama, Tomohisa Ishizaka, Keisuke Yamada, Akihito Yokoyama, Yoshimi Hirano, Takahiro Satoh, Hirotsugu Kashiwagi, Yosuke Yuri, Takeru Ohkubo, Ikuo Ishibori, Susumu Okumura, Takayuki Nara (QST Takasaki)
 
量子科学技術研究開発機構高崎量子応用研究所のイオン照射施設(TIARA)にはAVFサイクロトロン(K110)、3MVタンデム加速器、3MVシングルエンド加速器、400kVイオン注入装置の4台の加速器が設置されており、主に材料・バイオ技術の研究開発への利用のために、広範囲のエネルギー及び多様なイオン種のビームを提供している。2016年度は、完成から25年目となるサイクロトロン施設の老朽化対策として、3.6か月の運転休止期間を設けて冷却水設備の一部更新を行った。一方で、その直前に上下各5層からなるメインコイルの最上段と次の段の2層間で短絡するトラブルが判明し、この部分をバイパスする応急的な対策を行った。シングルエンド加速器では、シェンケル昇圧回路前段のRFタンク内の電磁シールド接合面の接触不良から電源の負荷が増大し、定格までの昇圧が困難となった。これにより約2か月の利用中止としたが、電磁シールドの接合部の補修によって、その後順調に稼働している。一方、タンデム加速器では、これまでに開発した電子付着方式によるフラーレン(C60)負イオン生成技術を基に、更なるビームの増強(従来方式の約7千倍)とメンテナンス性の向上に成功した。また、注入装置では新たにPr+の生成加速(350keV、900nA)に成功している。本発表では、これらの概要を述べるとともに、その他の保守・整備及び技術開発や施設の利用状況についても報告する。