FSP013  施設現状報告ポスター  8月1,2日 ホワイエ(2F) 13:00 - 15:00
京大炉電子線型加速器(KURRI−LINAC)の現状
Status of KURRI-LINAC
 
○阿部 尚也,高橋 俊晴,堀 順一,窪田 卓見,高見 清(京大炉)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Jun-ichi Hori, Takumi Kubota, Kiyoshi Takami (KURRI)
 
京大炉電子線型加速器の2016年度の運転時間は過去最高の2,638.5時間であった。利用形態別では、放射線計測、放射線損傷、RI製造・放射化分析、核データ、放射光源の順で26~14%の割合で満遍なく利用されている一方、メンテナンスに時間を割けない状況が続いている。 昨年の報告以降、マシン停止を伴うトラブルが相次いだ。2016年10月に、No.2サイラトロンヒーター電線損傷が発生。コネクタの接触不良と電源投入時の突入電流が原因と推定し、電線や接続パネルの耐火耐熱化を実施した。2017年1月に、インジェクター高圧電源が異常電圧を発する故障が発生し、予備電源と交換した。同3月には集中してトラブルが発生した。No.1加速管水負荷で漏水及びNo.1加速管出口RF窓接続部でSF6ガス漏れが発生した。いずれも数十年経過のOリングの劣化によるもので、交換を行って対応した。No.1加速管出口イオンポンプでは10-5Pa程度の圧力に悪化したため、エレメント更新を実施した。RFドライバーでは前段アンプからの出力がなくなる不具合が発生した。業者修理の結果、原因は位相切替スイッチの接触不良であった。温調系冷却水三方弁では全閉不能になる不具合が発生、オーバーホールを実施して対処した。 改造では前回報告のモデュレータ過電流時の分電盤ブレーカー断の対策として、キュービクル及び分電盤内ブレーカーの電流容量増強を実施した。その後ブレーカー断は発生しておらず、効果有の判断である。