FSP007  施設現状報告ポスター  8月1,2日 ホワイエ(2F) 13:00 - 15:00
先端加速器施設(ATF)の現状
Status report of the accelerator test facility
 
○照沼 信浩,久保 浄,黒田 茂,奥木 敏行,内藤 孝,荒木 栄,福田 将史,森川 祐,田内 利明,Aryshev Alexander(高エネ研)
○Nobuhiro Terunuma, Kiyoshi Kubo, Shigeru Kuroda, Toshiyuki Okugi, Takashi Naito, Sakae Araki, Masafumi Fukuda, Yu Morikawa, Toshiaki Tauchi, Alexander Aryshev (KEK)
 
KEKの先端加速器試験施設(ATF)は、国際リニアコライダー(ILC)において必要とされるビーム計測・制御技術、特に衝突ビームに必要なナノメートルビーム技術の開発を進めている。後者はATF2と呼ばれる試験ビームラインにおいて、国際コラボレーション体制の研究開発として実施されており、二つの大きな目標がある。第一の目標は、垂直方向37nmの極小ビームの達成であり、これはILCでの衝突ビームサイズ6 nmを実現するための技術である。第二の目標は、ILCでの電子・陽電子ビーム衝突を安定にするために、ナノメートルレベルでビーム位置を制御することである。 現在までに、ATF2のビーム収束点(仮想衝突点)において41 nmの極小ビームを確認している。しかしながら、このビームを実現するためには、バンチ電荷を想定の1/10程度に下げなければならなかった。ATF2ビームラインの空洞型BPMなどが強いWakefield源となり、ビームに影響していたためである。このため、2016年にWakefield源を半減させる改造を実施、結果としてバンチ電荷の増強を可能とした。ナノメートルレベルでのビーム位置制御技術開発では、制御に使用する空洞型BPMの分解能で制限される数10 nmまで開発が進んでいる。バンチ電荷の増強により信号強度が上がり、更に開発が進むことが期待される。 これらATF技術開発の現状を報告する。