FSP006  施設現状報告ポスター  8月1,2日 ホワイエ(2F) 13:00 - 15:00
KEKコンパクトERLの現状
Present status of the compact ERL at KEK
 
○加藤 龍好(高エネ研)
○Ryukou Kato (KEK)
 
エネルギー回収型線形加速器(Energy Recovery Linac, ERL)ベースの放射光源は、蓄積リング型放射光源の限界を超える「先端性」と、多くの放射光科学の展開を可能にする「多様性」を兼ね備えており、これまでKEKの次期放射光源として開発が続けられてきた。 ERLの小型実証機として高エネルギー加速器研究機構(KEK)に建設されたコンパクトERLは、2016年3月の運転でエネルギー20MeV、平均電流1mAのエネルギー回収運転に成功した。 しかしその後のKEKロードマップの改訂により、より短い開発期間で実現性の高い3GeV蓄積リング型高輝度光源に次期放射光源としての座を譲ることになった。 開発および運転にかかわる年度当初の予算はゼロになり、保守維持のための予算のみが認められた。 しかし、関係者の不断の努力により追加予算が認められ、年度末の限られた期間ではあるが「大バンチ電荷」を目標とした運転を行うことができた。 ここでは2016年度のコンパクトERLの運転および保守・トラブルの状況について報告する。