WEOM06  レーザー/粒子源1  8月10日 会議室201 11:50 - 12:10
低加速勾配キャプチャー空洞による電子ビームドライブ方式ILC陽電子源
Electron Driven ILC Positron Source With Low Gradient Capture Cavities
 
○栗木 雅夫(広島大学先端研),根岸 健太郎(岩手大学),柿田 和臣,高橋 徹(広島大学先端研),清宮 裕史,奥木 敏行,浦川 順治,佐藤 政則,横谷 馨(KEK加速器),大森 恒彦(KEK素核研)
○Masao Kuriki (AdSM, Hiroshima U. ), Kentaro Negishi (Iwate U. ), Kazuomi Kakita, Tohru Takahashi (AdSM, Hiroshima U. ), Yuji Seimiya, Toshiyuki Okugi, Junji Urakawa, Masanori Sato, Kaoru Yokoya (KEK, Accelerator Lab. ), Tsunehiko Omori (KEK, IPNS)
 
ILC国際リニアコライダー計画は円形コライダーでは事実上不可能な350GeVを超える重心系エネルギーでの電子陽電子衝突を実現できる唯一の加速器として、ICFA主導のもと、日本を最有力建設候補地としてプロジェクトが進められている。陽電子はアンジュレーターから発生するガンマ線の対生成反応により生成するが、技術的バックアップとして、従来方式である電子ビームドライブによる陽電子生成が検討されている。技術的バックアップとして、リスクを極力低減するため、開発要素を極力排除し、既存技術を基盤とした陽電子生成標的、捕獲のためのRF加速空洞、ブースター加速器を仮定し、ILC陽電子源の設計を行った。陽電子捕獲に大きく影響する捕獲RF空洞には、定在波型空洞を使用予定であるが、ビームローディングの大きな状態では、空洞全体を単一の空洞とみなした単セルモデルでは、その加速勾配を正確に評価できない。そのため、セル間結合を考慮した多セルモデルを構築し、ビーム負荷電流がダイナミックに変化する空洞による陽電子捕獲を評価した。本発表では、システム全体の概要、定在波型加速管の多セルモデルによるビームローディングを含んだ加速勾配の導出、陽電子捕獲シミュレーションの結果について報告する。