TUP137  加速器土木・放射線防護  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
SPring-8 蓄積リングのレベル測量の改良
A level survey improvement for SPring-8 storage ring
 
○岡安 雄一,木村 洋昭,張 超(高輝度研),松井 佐久夫(理研播磨)
○Yuichi Okayasu, Hiroaki Kimura, Chao Zhang (JASRI), Sakuo Matsui (RIKEN)
 
SPring-8 蓄積リングにて 1997 年の供用開始以来、毎年加速器構成機器のレベル測量を実施している。周長約 1.5 km の蓄積リングは 48 セルで構成されている。このうちレベル測量では、各セル3つの共通架台両端に設置された四極電磁石天面の測量点 6 点、一周で約 280 点のレベルを計測している。 しかし、各セル 6 点を順次計測した場合では、環閉合差(一周計測して、開始点に戻った時の高さの差)が 4 - 6 mm にもなってしまい、離れた場所の高さを比べられなかった。 2014 年より、レベル測量の改良を計った。概要は、1) 各セル1点 (約30m 間隔) の測定で全周を計測、2) 予め校正された 2 台の標尺を使用して、各点で独立に2 回計測、3) 2 回の計測差が 0.1 mm 以上であれば再測定、4) 測定しない残りの各セル5点はレーザートラッカーのデータを使用、というものである。レーザートラッカーのデータは、レベル測量結果にウェートをかけた 3D ネットワーク解析から解析的に算出・評価を行っている。結果、環閉合差は 0.3 mm 以下と一桁以上改善され、作業日数も 1 週間から 3 日に短縮した。