TUP134  加速器土木・放射線防護  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
KEKB入射器における遅いトンネル床面変動の動的観測 (II)
Dynamical Observation of Slow Tunnel Floor Motion at the KEKB Injector Linac (II)
 
○諏訪田 剛,榎本 嘉範,柿原 和久,三川 勝彦,肥後 寿泰(高エ研加速器)
○Tsuyoshi Suwada, Yoshinori Enomoto, Kazuhisa Kakihara, Katsuhiko Mikawa, Toshiyasu Higo (KEK, Acc. Lab.)
 
長基線レーザーアライメントシステムの開発は2009年度より開始され2013年3月に終了した. これまで、加速ユニットの変位を継続して測定してきたが、その変位が時間とともに大きくなっていることが明らかになった. 本現象の主要因は地面の動的変動と考えられるが、地面変動と一口に言っても外気温、日照、気圧、地下水の変位、海洋潮汐、波浪等々様々な要因が寄与する. 地面変動を通して入射器建屋が変形し、さらにトンネルの床面変動を通して入射器全体が変位するという極めて複雑な過程が動的に作用する. 現在の静的な計測システムではこの動的変位を追跡するのは困難である. このような経緯から計算機制御による動的変位計測システムを導入することにした. 遠隔制御が可能なレーザー光軸変位センサー(自動センサー)2台を入射器の500m長直線部中央に建屋継目を挟んだ上下流の床面に設置し、2015年1月から加速ユニットの動的変位の観測を本格的に開始した. その後、2015年9月、新規に自動センサー8台を導入し合計10台の自動センサーを入射器全長に沿って分散配置した. その後計算機によるデータ収集システムの構築を経て2016年1月から加速ユニットの動的変位の計測を本格的に開始した. 本学会では、2016年1-6月まで約半年間に及ぶ入射器トンネルの床面変動の連続観測、特に500m長に渡る床面の動的変動とその解析結果について報告する.