TUP107  電磁石と電源  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
J-PARC-MRアップグレードのための新しい速い取り出し用低磁場セプタム電磁石の開発
The development of a new First Extraction Septum Magnet for Upgrading of J-PARC MR
 
○芝田 達伸(KEK),川口 祐介,中村 健太(ニチコン草津),石井 恒次,杉本 拓也,松本 教之,松本 浩(KEK),Fan Kuanjun(HUST)
○Tatsunobu Shibata (KEK), Yusuke Kawaguchi, Kenta Nakamura (Nichicon), Koji Ishii, Takuya Sugimoto, Noriyuki Matsumoto, Hiroshi Matsumoto (KEK), Kuanjun Fan (HUST)
 
J-PARC-MRの速い取り出し用ビームパワーの目標値は750kWである。そのため繰返し周期を1.3秒(1Hz化)にする必要がありMR用出射電磁石の改修が進行中である。本発表ではその内の低磁場セプタム電磁石のアップグレードについて報告する。現行機の低磁場セプタム電磁石は電流型セプタム電磁石であるためセプタムコイルを使用している。しかしコイル振動によるセプタムコイル表面の絶縁耐久性が近年心配されている。他にもビーム強度増強に伴い大きくなるビームハロー部のビーム損失量を軽減するために現行機よりも大きなアパーチャーの電磁石が必要になる。更に周回軌道上への漏れ磁場も磁極間磁場の10^-3程度と決して小さくはない。大強度化のため新しい低磁場セプタム電磁石と電源を開発した。新しい低磁場セプタム電磁石には誘導型渦電流タイプ、通称Eddyカレント型と呼ぶ電磁石を採用した。Eddyカレント型にセプタムコイルはなく、薄いセプタム板で発生する渦電流を使って漏れ磁場分を消失させる事ができる。セプタムコイルがないため絶縁耐久性の心配はなく、漏れ磁場も10^-4台を期待している。2014年に1台目のEddyセプタム電磁石と電源を構築した。2014年のPASJでは磁極内磁場と漏れ磁場測定結果について報告した。その後は電源調整や長時間の安定性試験等を行っている。2016年には2台目のEddyセプタムを製作した。本発表では電源調整の現状や最新の磁場測定結果について報告する。