TUP082  ビーム診断・ビーム制御  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
J-PARC LINAC負水素イオンビーム用マルチレーザワイヤプロファイルモニタの開発
Multi-Laser-Wire Diagnostic for the Beam Profile Measurement of Negative Hydrogen Ion Beam in the J-PARC LINAC
 
○三浦 昭彦,吉本 政弘,岡部 晃大(日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター),山根 功(高エネルギー加速器研究機構 J-PARCセンター)
○Akihiko Miura, Masahiro Yoshimoto, Kota Okabe (J-PARC Center, JAEA), Isao Yamane (J-PARC Center, KEK)
 
J-PARC LINACでは、負水素イオンビームを400MeVまで加速し、下流のシンクロトロン(RCS)に供給している。また将来計画として、ビーム振り分けシステムを導入し、核変換実験施設にも供給することが計画されている。大強度陽子加速器においてビーム損失を抑制するためのビーム調整は非常に重要であり、そのための重要な測定機器の一つがビームプロファイルモニタである。現在、タングステン製のワイヤによるプロファイルモニタを使用しているが、ワイヤの熱的耐久性の観点から大強度ビームでは使用できない。そこで、大強度でも使用できるビーム非破壊型のレーザワイヤ法に着目した。負水素イオンの1つの電子のイオン化ポテンシャルは0.75eVと低いため、可視光域のレーザ光をドップラーシフトさせ、容易にイオン化に適した波長を作成することができ、レーザワイヤ法の現実的なシステムを形成できる。これに加えて、径の異なる一対の凹面鏡を対面させ、鏡間に複数のレーザーの光路(レーザーワイヤ)を形成する新たな手法を検討した。レーザー光のビームウエストを同一直線状に並ぶように光学設計することで、負水素イオンビームの進行方向にレーザー光路の面を平行に配置し、マルチレーザーワイヤの様なビーム計測が可能となる。本発表では、マルチレーザーワイヤをプロファイルモニタに適用する原理と、ビーム計測のためのシステムについて報告する。