TUP016  高周波加速空胴  8月9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
KEKの電子陽電子入射器に30年以上用いられてきた加速管の内面検査と高電界特性
Surface Inspection and High Gradient Performance of S-Band Accelerator Tubes used for 20-30 Years at KEK
 
○肥後 寿泰,矢野 喜治,峠 暢一(高エネルギー加速器研究機構),鈴木 和彦,牛本 信二(三菱電機システムサービス)
○Toshiyasu Higo, Yoshiharu Yano, Nobukazu Toge (KEK), Kazuhiko Suzuki, Shinji Ushimoto (Mitsubishi-Electric System Service)
 
KEKの電子陽電子入射器では、Sバンドの2m加速管を30年以上用いて運転を継続してきている。最近ではこれらの加速管は、電界放出電子の問題や放電頻発の問題を抱えていることが認識されてきている。現在これらの加速管の内面検査を始めて高電界特性との関連を調査し、今後の安定運転への知見を得る必要があると考えている。ある放電頻発していた加速管の内部は、製造当初の金属光沢は全くなく暗灰色を呈していた。また殆ど全ての加速管に関して、そのカプラーセルの電界均一性回復用のへこみ構造にこれまでも認識されてきた黒色の焼けのパターンがプリントされていることもわかる。更に、アイリスに顕著なスクラッチ様の傷があるもの、放電痕のあるもの、等が見うけられる。調査対象と調査方法は限られているが、本稿ではその結果を基に、これまでの入射器の運転での履歴をふまえて、加速管内部の状況と高電界特性を比較検討する。