TUOM08  ビーム診断・ビーム制御/高周波源  8月9日 会議室201 11:30 - 11:50
ILC用SiC MOS FET MARX方式クライストロン モジュレータ用電源の開発
A development of SiC MOS FET MARX type Klystron Modulator for International Linear Collider
 
○徳地 明,澤村 陽(パルスパワー技術研究所),明本 光生,中島 啓光,川村 真人(高エネルギー加速器研究機構 ),江 偉華,鈴木 隆太郎,林 拓実(長岡技術科学大学)
○Akira Tokuchi, Yo Sawamura (PPJ (Pulsed Power Japan Laboratory Ltd.)), Mitsuo Akemoto, Hiromitsu Nakajima, Masato Kawamura (KEK), Weihua Jiang, Ryutaro Suzuki, Takumi Hayashi (Nagaoka University of Technology)
 
ILC(国際リニアコライダー)計画は、全長約30kmの直線加速器で、現在達成しうる最高エネルギーで電子と陽電子の衝突実験を行う計画。宇宙初期に匹敵する高エネルギーの反応を作り出すことによって、宇宙創成の謎に迫る。 ILC計画の主線形加速器には378台の1.3GHz 10MWマルチビームクライストロンシステムが搭載される。超伝導加速空洞に加速電場を生成するためのRF電力は、マルチビームクライストロンとそれを駆動するクライストロン電源で構成される。 クライストロン電源はマルクス変調器と呼ばれ、120kV 140A 1.65msのパルス電圧を生成し、マルチビームクライストロンのカソードに供給する。 本稿は、ILC加速器に設置されるクライストロン用モジュレータ電源の開発に関するものである。 搭載される電源は、小型化、低コスト化、高信頼性が強く望まれ、また電源が出力するパルスはフラットトップが1.65msの非常に長いパルス幅と電圧変動率1%以内という高精度の出力が要求される。 本研究では、マルクス電源の構成とチョッパ回路を組み合わせた小型で安価なパルスパワー電源の提案でPWM制御によるドループの補償と位相制御によるリップルの低減を行う。 電源は1ユニット4段のチョッパ制御方式マルクス回路を20ユニットで構成する。より小型化を目指しPWMスイッチングロスを低減するSiCデバイスの導入、A/Dコンバータを用いた充電電圧デジタルフィードバック制御についても言及する。